私の好きな映画 6
No.6 タクシードライバー
監督 :マーチン・スコセッシ
出演 :ロバート・デ・ニーロ
ジョディ・フォスター
ベトナム戦争から帰ってきた主人公は、自分を見つけられないでいる。
自分自身の無気力さから脱出するために、定職につくことにした。
タクシードライバーなら、難しい事も無い。眠れぬ夜も仕事をしていれば気持ちも落ち着く。
今の自分には、モッテコイの仕事に違いない。
しかし、大都会の狂気や絶望、人間の汚さを眼のあたりにする事になる。
そんな折、まだ学校に行っていなければならないはずの幼い少女の売春婦に出会う。
そして、それとは好対照の知的な女と接触する。
思いきって彼女に声を掛け、デートに誘うが、ひどいフラレ方をする。
そんな中、自分も狂気へと変わっていく。
何もかも捨てる気になって、大胆な行動をした主人公は、気づかぬうちにヒーローになっていた。
そのおかげで、回りと打解ける事ができ、フラレタ彼女をモノに出来るチャンスを得るのだが、・・・・・。
好きなシーン
@大統領選挙対策本部に、主人公::トラビス(ロバート・デ・ニーロ)が
車を横付けしている。
車の中から憧れの女性の働く姿を眺めている。
中では、同じく彼女に心を寄せる者が求愛している。
しかし、彼女:ベッツィーは同僚には気を許さない。
そして、外から眺めているタクシードライバーに気づき、
同僚がトラビスを追い払いに行く。
するとトラビスは、慌ててその場を逃げ出す。
A意を決してトラビスは、ベッツィーに声を掛ける。
彼女が働いているその場に堂々と乗り込んで行く。
そこに居合せたベッツィーに心寄せる同僚男性は、気が気ではない。
落ち着きなく、何を話しているのか、ソワソワしたり、ウロウロしたり。
それとは違ってベッツィーは、とても明るくてウキウキした表情は、笑いを誘う。
B恋する彼女が支援する大統領候補が、偶然トラビスの運転するタクシーに
乗ってくる。
候補とその秘書が話している間を割って、自分も支持者である事を告げる。
意見を聞かれて、ニューヨークと言う街の改善について、暴力的に激しく
熱弁をふるう。
やがて、タクシーが目的地に着き、別れ際に候補と挨拶を交わすトラビスは、
礼儀の良い紳士であった。
そして、暫らくの間候補が建物に入っていく様子を眺め、
納得してまた業務に戻る。
Cいわゆるラストシーン。
ヒーローとなってタクシードライバーに復帰したトラビスは、仲間達と雑談している。
そんな折、同僚ドライバーから自分の車に客が乗っている事を告げられ車に戻る。
乗っていたのは、ベッツィーだった。
暫らく何の言葉も交わさずにいる2人だったが、ベッツィーがトラビスを気遣う。
ベッツィーを送り届けると、トラビスはさっさと彼女の元から立ち去る。
そしてベッツィーは、振りかえりもせずに自分のアパートに入っていく。
私がまだ20歳前後の頃、この映画の主人公を、ひどく意識した事がありました。
主人公の年齢は26歳。学生だった私からすれば社会人になって、落ち着きを見せる頃。
そこに自分の将来像をダブらせて観ていました。自分の26歳の時を。
主人公の無計画さ、正義感。都会の狂気や絶望、人間の汚さを目の当たりにした時、
不器用な人間は、どう対応すればいいんでしょう。
この映画は、静かで長〜〜い夜に、しっとりした気分でいたい時。
そんな夜に見たい映画です。

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